Tuesday, December 21, 2010

本当に死ぬとき 『続・そして、死刑は執行された』


   ある死刑囚は口ぐせのように、「どうせ殺るなら早く殺って
もらいたい。神経がおかしくなるよ」と死刑囚仲間に言っていた。
やがて念願叶って?お迎えが来た朝。
OO君、行くよ、XXさんお先に」
  と精一杯の声をふり絞り、親しかった仲間に声をかけ、
スタスタ歩いて出て行った。
だが彼の虚勢もここまで。拘置所側から潜って処刑台のある
刑務所側へ通じるトンネル、
別名「三途の川」へ来た頃には腰も砕けてヘナヘナ。
挙句に「殺さないでくれ、助けてくれ」
と泣き喚き、大暴れしながら死んで逝った。 
 (p.168)
       『続・そして、死刑は執行された』  合田士郎


 日ごろ死など怖くない、死んだら何もないと
強がっているものほど、いざ本当に死ぬときになると、
かえって死恐怖が尋常でなく
慌てふためいたり、泣きながら苦しんで死ぬ
実例は多い。プライバシー窃盗・嫌がらせによる
人殺し、「被害告発は妄想」という
を吐いている犯罪者は、死後は地獄へ逝く確率が
誰よりも高いのだから、なおさらだ。
すぐに罪の浄化を始めた方が良いだろう



 はかなきを 思い知らずは なけれども
  あらましにのみ 日を暮らすかな

  『堀川百首』