Tuesday, January 24, 2012

非業の死 自業自得の死

因果応報で悲惨な死がその人の悪業の報いというなら、この世で最も悲惨な死をとげた広島、長崎の原爆犠牲者たちはどうなるのでしょう。その中には生まれて間もない赤ん坊だっていたのです。
あの戦争で死んでいった人々のすべてが、そういう死をとげる悪業を果たしていたというのでしょうか。
あの戦争で生き残ったわれわれが、それにふさわしい善業を積んだといえるでしょうか。
わたしは仏教に帰依した者ですが、因果応報という意味を、このような形では納得できません。(p.168)
          瀬戸内寂聴『生きることば あなたへ』
  仏教では、しばしば生命が蝋燭に譬えられる。すなわち輪廻転生とは一本の蝋燭が燃え尽きるとき、その炎が他の蝋燭に燃え移るようなものというわけだ。興味深いことに生物学においても、生き物を生き物たらしめている個々の細胞の活動というものは、詰まるところATPによる「燃焼」現象であるといえるそうだ。
  これを寿命についても喩えると、人がもって生まれる寿命の蝋燭(業)は、その長さが初めから決まっているようなものといえる。よって、蝋燭がまだ残っているのに火を消される現象が「非業の死」と説明されよう。
           高橋 信次 "退行催眠(1/7)"

イアン・スティーブンソン博士に代表される輪廻転生に関する科学的調査においても、過去世のものと思われる記憶を克明に想起できる人の場合、その前世において殺人や交通事故といった不慮の死、すなわち仏教でいう非業の死を迎えたケースが顕著に多いことがわかっている。これを寿命の蝋燭の喩えでいえば、まだ蝋が残っているのに途中で灯をかき消され、燃えきれなかった分を、次の蝋燭に継ぎ足して再び火を灯したようなものと言えそうだ。まだ前回の人間としての「蝋燭」本体が一部残っているから、前回の人格の記憶も鮮明というわけだ。また同調査によれば前世が非業の死だったケースでは、再び人間に生まれ変わるのも早く、早い者で数年以内であるという。この報告も前世からの「人間の素」が一部残っていると考えれば納得がいく。なおこれは、地獄に墜ちた亡者が無限より長い期間のたうちまわり、それ以上の生命体に生まれ変わることは当分ないといわれるのと好対照をなしている。


  さて寿命についてここまで見てきた例を大別すると、
1.天寿全う死(寿命を使い切った死。但し死後どんな境遇になるかは別問題)


2.非業の死(集団ストーカー危害による自殺、病死、事故死、災害死を含む死)
そしてこの二つに加え、もうひとつ、
3.自業自得死(罪を償わない集団ストーカー犯罪者が寿命の前に早死にする等)
という死もあるようだ。既に当ブログで紹介したとおり、『仏説無量寿経』にも、以下のような真理が述べられている。

ついにその罪が行き つくところまで行くと、定まった寿命が尽きないうちに、とつぜん 命を奪われて苦しみの世界に落ち、繰り返しその世界に生れ変り死に変りして、何千億劫もの長い間、浮び出ることができな真宗訳

この3番目の自業自得死は、蝋燭に譬えるとどう説明できるのかブログ『鬼和尚の仏教勉強会』の鬼和尚さんに聞いてみた。
926 鬼和尚 GBl7rog7bM2012/09/13() 20:33
そのような者は蝋燭の頭と尻の両側に火をつけた者と喩えられよう。
 悪事を成す者は他人を苦しめる報いで自らを傷つけて、寿命を減らしていくものじゃ。
 そのような者は自らの報いに任せて放っておいて、修行に専念したら良いのじゃ。
悟りを開いた人のスレ の避難所 21)
        参考資料:まんが日本昔話し「寿命のロウソク」
 
 つまり、悪人は己の快楽や欲望のために他人の灯まで奪うほど欲深いため、己の寿命の蝋燭が燃えるのが、まともな人間よりずっと激しくなり、燃え尽きるのも早く、早死にするというわけだ。
  またサイコパス研究において引用されることが非常に多い、スタウト著『良心をもたない人たち』によれば、集団ストーカー(ガスライティング)を行なう卑劣な犯罪者(とそれに迎合する心の弱いタイプ)は凄惨な早死にをするものが大変多いというデータが報告されている。
  プライバシーの窃盗やストーキングなど変態行為を繰り返し、人を苦しめ、世間を欺き、内心ではその報い(因果応報)に脅えながらも、その恐怖を誤魔化し虚勢を張るために、さらに人を苦しめる。この悪循環から抜け出せぬまま死を待つしかないのが、集団ストーカーの死。

 また集団ストーカー犯罪者は、プライバシーの窃盗や凶悪な嫌がらせをやっておきながら、偶然を装い「(わざと)そんなことやる者はいない。被害妄想だ。」と卑怯・卑劣な噓を吐いて世間を騙し、被害者を2重に傷つける。このとき、彼らの脳では真実を語っているときよりも多くの場所でニューロンが発火しているのだ。なぜなら人は噓をつくとき真実の出来事すなわち事実を思い出す作業に加え、同時にその事実に虚飾を加えるための余計な神経も使うからだ。つまり悪行為を為したエネルギーに加え、さらにウソを吐いて誤魔化すためのエネルギーまで浪費している。「寿命の蝋燭」を無駄に消費しているというわけだ。また悪行為と欺瞞の両方を行なうための神経回路はともに、悪を行いウソを吐くたび強化される。これをNeuroplasticity(神経可塑性)という。そして益々悪行為と欺瞞を行いやすい悪人になる。
「ウソ吐けば 悪の回路 強化され 発火は倍増 カルマも倍増」 
    (資料動画:Better Lie Detectors: ScienCentral News Video)

   (資料動画:The Phenomenon of Neuroplasticity) 

Sutta Nipata
661 嘘を言う人は地獄に堕ちる。
また実際にしておきながら「わたしはしませんでした」と言う人もまた同じ。
両者ともに行為の卑劣な人々であり、死後にはあの世で同じような運命を受け地獄に堕ちる。

上記スッタニパータ第661段についてスマナサーラ長老の法話
 悪­行為をしながら私はしてませんと言う者」は明らかに嘘をついてい­るのです。ですから、「嘘をつく者」と同じではないかと­考えませ­んか?しかし、釈尊は区別して述べています。なぜでしょうか?二­行目の場合は罪は重いのです。一度悪行為をして罪を­作りながら、嘘をついてまた罪を作っています。つまりこの場合は二度罪を作っ­ていることになるのです。
 しかし、人を騙し、八つ当たりしても、不満の原因が根本的に解決されるわけはなく、いずれ手痛いしっぺ返しを受ける。これは生理学的にいっても当然、善良な人よりストレスが多い人生だ。このストレスの多さに比例して分泌されるコルチゾール(ストレスホルモン)が、免疫力を低下させ死を早めることも、よく知られている。


                                                       Reference

Sutta Nipata
587 見よ。他の(生きている)人々はまた自分のつくった業にしたがって死んで行く。かれら生あるものどもは死に捕らえられて、この世で慄えおののいている。 


588 ひとびとがいろいろと考えてみても、結果は意図とは異なったものとなる。壊れて消え去るのは、このとうりである。世の成りゆくさまを見よ。

589 たとい人が百年生きようとも、あるいはそれ以上生きようとも、終には親族の人々すら離れて、この世の生命を捨てるに至る。 


日本テーラワーダ仏教協会「日常読誦経典」訳の一行目、「摂理によって死んでいく」この摂理を次の四つに分類して教えています。

1.寿命死:ロウソクの芯が無くなり、火が消えていくように、寿命が尽きて死ぬ。老衰による死を意味します。
2.業死:ロウソクの蝋が無くなり、火が消えていくように、その生命をもたらした業が尽きて死ぬ。事故に遭わずに急に若死にする。
3.寿命業死:ロウソクと蝋の両方が無くなり、火が消えていくように、寿命も業も尽きて死ぬ。
4.中断死:ロウソクの芯と蝋の両方がまだあるのに、強い風が急に吹くなどによって火が消されるように、寿命や業がまだあるのに過去世の業が機会を得ることによって故意に殺されたり、自殺したり、事故死したりする。

上の説明で寿命も広い意味では業によるものなので、死は業に従うと言ってよいのです。それは、どの様な意味かといえば、生き物を傷つけたり、殺したりすれば、来世は早死する、逆に生き物を慈しみ、命を助けたりすれば、長生きすると言われています。しかし、業というものは複雑なものなので、単純に早死した人を前世で生き物を殺したのだなどと判断しては行けません。