Saturday, December 24, 2011

ジェットコースターみたいな死後

     徳の高い女がいたが、ある不良男がそれを妬み、彼女の徳を剥ぎ取ってやろうと近づく。その不良と淫行をした女は「そのようなことはまったく知りません」と夫に噓をついた。その結果、死んだ後、前世で積んだ善業のおかげで彼女は昼は天上の楽を味わい、しかし夜は悪業に牽かれて犬に骨だけにされるまで朝まで食いちぎられ、池に投げ込まれを繰り返す。
      生前に積んだ業が全部で百として、善悪がそれぞれ五十点ずつの場合、プラスマイナスゼロの平凡な生活というふうに差し引いてはもらえない。善業による果報は楽果として悪業は苦果としてしっかり味あわなくてはならない。(p.186)

藤本晃『死者たちの物語 -餓鬼事経の和訳と解説-』


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SuttaNipata
666 けだし何者の業も滅びることはない。それは必ず戻ってきて、(業をつくった)主がそれを受ける。愚者は罪を犯して来世にあっては、その身に苦しみを受ける。
 'For one's deeds are not lost, they will surely come (back to you), (their) master will meet with them, the fool who commits sin will feel the pain in himself in the other world. (666)
六六六        任何諸業無滅者        業主必來承受得
                 自造罪惡愚鈍者        此世他世自受苦