< 死者の群れ >
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【本日のオマケ】
もうひとつ「そんなバカな」をどうぞ!
旅法師「しかし、死んだ人間まで嘘を言うとは考えられない」
下人「なぜだい?坊さん」
旅法師「人間がそんなに罪深いものだと考えたくない」
下人「それはお前さんの勝手だが、いったい正しい人間なんて
いるのかい。みんな自分でそう思っているだけじゃねえのか。」
旅法師「恐ろしいことを」
下人「人間というヤツは自分に都合の悪いことは忘れちまう。
都合のいい嘘を本当だと思ってやがるんだよ。その方が楽だからな」
旅法師「そんなバカな」
黒澤明監督『羅生門』(1950年)
断層となって深い亀裂が、見わたすかぎり、
どこまでもつづいている。対岸はほとんど見えない。
この斉の広場に、無数の人びと(死者)が
集まっている。死者たちはこの断層を飛び越え
なければならぬのである。断層の下は急流に
なっていて、そのまま地獄の底につながっている。
一代で巨財を積んだ大富豪が、晩年、
一大発心をして、社会事業に多額の寄付をし、
また、座禅にうちこみ、師家より、空の悟りを得た
との認可を得た。地獄も極楽も心の影とさとりきって
いたのに、なぜ、こんなところへ来てしまったのか
と大不満であった・・・断崖から飛び出したが、
たちまち転落していった。
晩年のかれは、たしかにいっさいの欲をはなれ、
座禅三昧に明け暮れ、なにがしかの悟りは得たが、
若い時から金のために多くの人を泣かせ、
かぞえきれぬほどの怨恨の念を集めていたことを
忘れていたのである。
(p.p. 332-343)
『君は誰の輪廻転生(うまれかわり)か』 桐山靖雄
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42 :n :2010/10/18(月) 12:16:44
鬼和尚さまは、
「悪いことをしていれば万一悟りに成功しても
過去の悪い業まで消えるわけではなく、
相変わらず悪の報いは受ける」
とよく説かれておられますが、このエピソードも
鬼和尚さまは、
「悪いことをしていれば万一悟りに成功しても
過去の悪い業まで消えるわけではなく、
相変わらず悪の報いは受ける」
とよく説かれておられますが、このエピソードも
同様のことを教えようとしていると解釈して
よいのでしょうか?
52 :鬼和尚 ◆GBl7rog7bM :2010/10/18(月) 19:54
そうかもしれん。
その空の悟りと言うのもあり得んのう。
悪行の報いでニセモノの師家に騙されていたのじゃろう。
法を択ぶというのもまた大事な修行なのじゃ。
その空の悟りと言うのもあり得んのう。
悪行の報いでニセモノの師家に騙されていたのじゃろう。
法を択ぶというのもまた大事な修行なのじゃ。
(伝説の鬼和尚スレより)
もうひとつ「そんなバカな」をどうぞ!
旅法師「しかし、死んだ人間まで嘘を言うとは考えられない」
下人「なぜだい?坊さん」
旅法師「人間がそんなに罪深いものだと考えたくない」
下人「それはお前さんの勝手だが、いったい正しい人間なんて
旅法師「恐ろしいことを」
下人「人間というヤツは自分に都合の悪いことは忘れちまう。
都合のいい嘘を本当だと思ってやがるんだよ。その方が楽だからな」
旅法師「そんなバカな」
[英語字幕]
Commoner: But is there anyone who's really good? Maybe goodness is just make-believe.
Priest: What a frightening...
Commoner: Man just wants to forget the bad stuff, and believe in the made-up good stuff. It's easier that way.
Priest: Ridiculous.
黒澤明監督『羅生門』(1950年)